サンレモ音楽祭2020 ラップ

続いてラップのカテゴリーです。

イタリア語も母音を多用するので、基本的には向かないジャンルではあります。しかしそれにメロディー感を少し持たせてイタリアンラップとして昇華されました。ぼくは勝手にメロラップと名付けてます。
一方で本場ラップに寄せたものも着実に力をつけているように思います。個人的にはラップは少しジャンル違いだと思うのですが、メロラップは大好きです。
また、ラップといえば韻を踏むことがポイントですが、イタリア語の場合は意図せずに音があってきます。もともとそういうものを意図してプロがするとすごい言葉遊びが展開されるのです!そもそもラップでなくとも、歴史的にイタリア詩は韻を踏む伝統があるので、今のイタリアンポップスの歌詞もフレーズの最後を韻を踏んでいることが多いです。
この言葉の選択がとても面白い独特のリズムを生み出すので、普段ラップを聴かない方もそのノリを楽しんでみるといいですね。

今回ラップのメンバーは、アキッレ ラウロ、ランコーレ、アナスターズィオ、ユニオル カッリの4組です。

残念ながらぼくの思うメロラップのアーティストがいないです!サンレモに向けてそういうのを作ってくるかはわかりませんが、普段は本場寄りのメンバーたち。しかし上記のようにイタリアラップの言葉のリズムを味わってみましょう!


アキッレはまだメロラップに近いです。メロディーがあるのですが、結構崩した形です。たぶん歌が下手だからだと思うんですが、声にエフェクトをかけたような感じだったり、たぶん半分わざと音をはずして歌っています。そうでなかったらすごく不思議な出来で、実はそこがすごいのかもしれません。


ランコーレはイタリアンラップの本格派。言葉が少しわかってくるとなるほどという表現も見かけて、イタリアンラップはこういうのか~という感じです。でもやっぱりイタリア語のノリを楽しむのがいいでしょうね。


アナスターズィオの曲はラップからメロラップに近いものもあります。メロディーもちゃんととれるタイプ。参考曲に挙げたものは、しっとりしたオケに止まらない言葉の波。イタリア語ってこんな乗せ方ができるのかとおもしろく、さらに途中から異様なドラムが入ってきてトリップする楽しさ。一見聴き慣れないラップかなと思っていたら音楽的にとてもおもしろかったりするので、そういうのが楽しいですね。


カッリも本格ラップもあればメロラップに近いものもあります。正直アナスターズィオとの差がわかりません。おしゃれなガスマスクがトレードマークな異質さに注目。サンレモ舞台ではどうでしょうか。

エクストラ イタリア

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